猫の問題行動の原因はある時期に関係していた?
猫は個体によっては噛み癖があったり、粗相をしたりと問題行動を起こす子もいます。
問題行動の原因の一つとして「ある」要素が関わっていることがわかっており、その要素があるかないかでその後の飼いやすさが断然変わってくるんですね。
この記事ではなぜ猫には問題行動を起こしやすいタイプとそうじゃないタイプがあるのか?その理由と関わっている要素について書いていきます。
問題行動を起こしやすい猫の特徴とは?
猫の問題行動を起こす原因の一つとして考えられているのが子猫時期の過ごし方なんです。
子猫の時期は
- 新生仔期(0~7日齢)
- 移行期(8~14日齢)
- 社会化期(15日~9週齢)
- 若年期(性成熟まで)
に分かれており、中でも社会化期の過ごし方次第で問題行動の多さが決まります。
社会化期の途中、早期に離乳してしまった子猫は激しい攻撃性や誤飲・粗相などの問題行動が多く見られ社会性に乏しい子になってしまいます。
このことから生後9週齢まで親兄弟から子猫を引き離すということは問題行動の始まりといっても過言ではないんです。
子猫の社会化期ってどんな時期?
子猫の社会化期(生後15日~9週齢)では色々な社会性を学びます。
- 2週齢:一人遊びを開始
- 3~4週:防御反応が現れます
- 3~5週以降:自力排泄が出来るようになります
- 3~8週齢:母猫から狩りを教わり、固形物を食べ始めます
- 3~20週齢:子猫同士で遊び、手加減を学習
- 5週齢:爪とぎ開始
- 6~7週齢:人見知りをするようになります
- 6~8週齢:威嚇・恐怖刺激に対する反応を覚えます
- 7~8週齢:離乳
と目まぐるしく成長しているのがわかりますよね。
この時期に親兄弟から離れると遊びで手加減を学習してこないため、噛み癖が強力になり猫パンチも爪を出して行うようになります。
攻撃と威嚇の境がわからないまま成長してしまうんですね。
なので社会化期に何かしらの理由で離乳した子猫は問題行動が多く見られるようになるんです。
また離乳が終わっていない時期に親猫から引き離された子猫は成猫になっても乳離れがうまく行かず、毛布などを吸うといった行動が多く見られます。
その「吸う」行動が誤飲につながり、積み重なると腸閉塞など消化器官を詰まらせ命の危険が伴うようになるので注意が必要。
社会化期中のの親離れは「攻撃性の増加」「乳離れの失敗による誤飲」につながると言えます。
猫が粗相をする原因って何?
猫の問題行動の中には粗相があります。
おしっこやうんこをトイレ以外の場所で行う問題行動ですね。
猫は社会化期にトイレを覚えており、排泄行動は得意なタイプの動物であると言えます。
しかし何かしらの原因によりトイレ以外の場所で粗相をしてしまう理由として考えられるのが
- トイレが汚れている
- 寄生虫
- マーキング
- ストレス
- 病気
- 分離不安
です。
猫は潔癖な生き物ですので、トイレが汚れている場合使いたがりません。考えて見れば人間でも排泄物で溢れかえったトイレに入りたくないですもんね。
また寄生虫が居る場合にも粗相をします。肛門付近に違和感があるんでしょうね。下痢で自分のトイレを汚したくないためなのかどうなのかわかりませんが、うちの先住猫にゃんだむはサナダムシが寄生していた時トイレ以外で粗相をしていました(駆除後正常になりました)
未去勢の猫もマーキング目的でスプレー行為をします。マーキングされたくない場合には去勢をしてあげてください。
環境が変わるなど猫にストレスがかかった時も粗相をします。飼い主さんに赤ちゃんが生まれて、赤ちゃんだけを可愛がって・・など猫にとって環境が変わるというのは精神的に負担がかかるため、飼い主さんのケアが必須。
ストレスの中には構ってほしくて粗相をするケースもあります。
飼い主の気を惹きたくて粗相をするというのは、普段から猫が満足していない証拠。飼い主さんの猫に対する対応を見直してみると解決することが多いですよ。
病気で粗相してしまうケース
粗相には病気が原因の場合もあります。
代表的なものとして膀胱炎と尿路結石ですね。
粗相をする以外にも
- 血が混じっている
- 何度もトイレに出入りする
- 下腹部を執拗に舐める
など異常な行動が見られますので、そのような症状がある場合にはおしっこを持って動物病院を受診してください。
分離不安による粗相は親離れの失敗!?
トイレができるはずの成猫が粗相をする場合、親離れを失敗したことが引き金となり「分離不安」になっている場合もあります。
子猫の親離れは親猫が子猫を独り立ちさせるために徹底的に拒絶します。
これによって子猫は大人へと成長するのですが、親離れがうまくいっていない場合いつまでも猫は甘えたい気落ちが消えず頼る相手にべったりする癖が抜けません。
甘えん坊気質が酷くなると依存対象から離れることに大きな不安を覚える「分離不安」を発症するのですが、分離不安の中の症状として不適切な場所での排泄、いわゆる粗相があるんです。
よって問題行動の一つである粗相は子猫が社会化期を終える前に親元から引き離された結果が原因の一つになっていると考えられます。
うちの粗相事情と問題行動が治った流れ
うちの猫たちの粗相事情と問題行動が解決した理由について書いていきます。
- 先住猫にゃんだむ:粗相経験ありですが、噛み癖はありません。どうしても欲求が通らない時に電気のコードなどを噛んで抗議をします。
- 後輩猫アン:生後二週間で保護したため、幼少期は噛み癖や爪を出した猫パンチが多く見られました。粗相はありません。
にゃんだむが粗相をした理由はうっかり外に出てしまった1か月半から帰宅後「サナダムシ」が寄生していたため、トイレ以外の場所で粗相をしました。治療後は粗相しなくなりました。
膀胱炎になったときも粗相。こちらも治療したら無くなりました。
粗相とは違うのかもしれませんが、にゃんだむもアンもお尻に違和感がある時にお尻歩きをします。その際にお尻についていた「うんこ」が床に付着することがあるんですね。それを含めればアンも粗相していることになります。
次に問題行動なんですがアンを保護した時生後二週間と幼く、社会化期以前の「移行期」だったため攻撃的で家族が引っかかれたりするなど社会性が未熟な猫でした。
爪をしまうことをあまりしないため布製品に引っかかってパニックを起こすこともあり、手が付けられない時期がありました。
社会化期を経験していない猫が飼いづらくなるという意味をまさに体験したんですね。
そんな問題行動を起こすアンが、人間社会や猫同士の関係性を良好に過ごせるようになったきっかけがにゃんだむの存在なんです。
お転婆で社会性に欠けるアンに対しじゃれあいながら教育、徐々に攻撃性も消えて穏やかに過ごせる猫に育って行きました。
にゃんだむが親代わりになり猫的に成長させたといっても過言では無いと言えます。
今でもアンはにゃんだむを慕っていますので、きっと親だと思っている節もあるんでしょう。そういった意味では親離れできていませんが・・
このことから社会化期未満で引き取った猫を飼いやすくしつけることができるのは人間だけではなく同居している成猫の力も大きく関わっていることがわかります。
ただ老猫と子猫という組み合わせは老猫に対して負担がかかるためおすすめできませんが、相性の良い組み合わせなら親代わりになってくれる可能性もありますよ。
猫の問題行動の理由と対策まとめ
問題行動を起こしやすくなる要因の一つとして親離れのタイミングがあります。粗相や噛み癖も子猫時期に早くから親元を離れた猫が出ることがあるため、
生後少なくとも9週齢までは親元で暮らさないと、社会性が欠けた猫に育つ可能性が高くなります。ペットショップなどで売られている猫は早くに母猫から引き離されるため、社会性に不安のある子が多いんですね。
どうしても血統書付きの猫と暮らしたい場合にはブリーダーさんから直接譲渡してもらう方法が無難でしょう。
子猫時期を母猫と十分暮らせなかった子でも、多頭飼いすることで先輩猫が教育することもあるため一生問題行動がつきまとうのかと言えばそうでも無いです。
粗相に関しては幼少期の過ごし方の他、寄生虫や病気の疑いもあるため見極めることが重要。
猫が問題行動を起こした時は猫の生い立ちから考え、何が理由か環境の不備は無いかなどを確認して原因を突き止めると良いですよ。