猫にやって欲しい行動を教えるクリッカートレーニングの方法まとめ
猫がベルを鳴らしてご飯を貰う動画を見ることがあると思います。
とてもかわいい動画ですよね。本来しつけが難しいとされる猫ですが、行動原理を理解しているとベルを鳴らすなど人間のやって欲しいことをやってくれるようになります。
この記事では猫にどうやってベルを鳴らす行動を教えるのか?について解説していきます。
猫がやって欲しいことを覚えるために知っておくべきこと
まず最初に知るべきは猫がやって欲しいことを覚える理屈から。
猫は自分の行動によって発生した良いことと悪いことを覚える習性があります。これは野生の猫が生き延びる上で必須のスキルといっても過言ではありません。
「この行動をしたら餌が採れた」「あの動物に近づいたら怖い思いをした」などを学習することで生存率を上げています。不用意に危険に近づけばその分だけ命の危機に直面する危険性がありますし、成功例を覚えていないと狩りが上達しません。
なので単独行動をする猫にとって学習による成長は必要不可欠だったと言えます。
ここで知るべきは猫は嫌な事と良い事は覚えているということです。
猫がベルを鳴らすためにおすすめのクリッカートレーニング
猫の学習の原理がわかったことで、次にベルを鳴らすことを覚えてもらいます。
猫が自分の起こした行動により良い事が起こるとそれを反復しますので、ベルを鳴らすことでご褒美が貰えると学習してもらうと必然的にベルを鳴らす行動を起こすようになります。
使う道具はベルとクリッカー。クリッカーとは犬や猫のトレーニングに使われるもので、ボタンを押すと「カチッ」という音が鳴ります。飼い主さんの声でもいいのかもしれませんが、一定の音量や音程で音が出るクリッカーの方が猫的に学習しやすいと言えます。
誰がトレーニングしても安定する点ではクリッカーを使うことをおすすめします。
トレーニングの方法ですが、
猫がベルを鳴らす⇒クリッカーを鳴らす⇒ご褒美を上げる
の順番で繰り返します。簡単ですよね。
クリッカートレーニングは一日約5分程度を目安に行い、健康管理上ご褒美はあげ過ぎないことが重要です。5分の間に望ましい動きができて来たら次にステップアップしていくことは成功率を高めていくうえで重要です。これをスモールステップの法則と言い、5分を毎日継続して行うことで学習効率が高まります。
ご褒美は普段与えているフードを推奨します。理由としては体重の管理がしやすいためとおやつで代用することで肥満の原因になるためです。フードは1日の摂取量から差し引いて使用してください。
クリッカートレーニングで応用できるしつけ方法
クリッカートレーニングでは様々な応用が効くため、猫に色々やって欲しいことがあったり猫とのコミュニケーションを取りたい時に行うとどんどん絆が深まっていきます。
良い事だけを学習させるのではなく、飼い主が「やって欲しくない」ことを知ってもらうことも可能。
例えば登って欲しくない場所に登った場合、クリッカーを鳴らし見えない位置から水鉄砲などで軽く水をかけると「クリッカーが鳴ると嫌なことが起こる」と知ってもらうことができます。
どうしてもやって欲しくない事がある場合に応用してみてください。
また災害時に猫を素早く呼び寄せ避難するためのトレーニングとしても活用できます。クリッカーが鳴ると飼い主の足元に集合させたりキャリーケースに入るようにしたりなど幅広く使えます。
猫がベルを鳴らすことを教える上での注意点
動画のようにチリンチリンとベルを鳴らす猫は可愛いものですが、よく考えると空腹のたびにチリンチリンやられたら・・・というリスクがあることを忘れてはいけません。
良い事と学習したベル鳴らしに対し飼い主さんが怒ってしまっては猫の立場からすると困惑してしまうため、ベル鳴らしを学習させる際にはその後の対策も頭に入れておくことが重要です。
ベル鳴らしを楽しむのは動画だけでも十分かもしれませんね。
ベルを鳴らすことを猫に学習してもらう方法まとめ
猫が学習する時は「良い事」「悪い事」が起こった場合に学習します。
応用次第ではやって欲しくないことも知ってもらうことができます。学習の際には一定の音が出て、誰が使っても同じ音が出るクリッカーというアイテムがおすすめ。
しつけという立ち位置より猫とのコミュニケーションという意味で行うと飼い主共々楽しんで学習ができます。
おすすめのクリッカートレーニング書籍とクリッカー
動物学者カレン・プライア著のクリッカートレーニング書籍。イルカのトレーナーだったプライアが強化の原理を応用して猫のクリッカートレーニングについてまとめました。参考までにどうぞ。